パッシブ換気はたくさんの研究者によって研究・開発・調査が進められていますが、ここではその中心となってきた3人を紹介します。
北海道大学 名誉教授 絵内 正道
北海道科学大学 名誉教授 福島 明
国立保健医療科学院 統括研究官 本間 義規
パッシブ換気は、自然の力を利用するエコロジカルで省エネルギーな換気システムです。しかし、北海道から生まれた新しい技術であるため、その性能検証と安全確認が欠かせません。
・必要な換気量は確保できるのか
・空気は本当にきれいな状態で給気されているか
・空気の流れといっしょに話し声なども拡散していないか
など、パッシブ換気の技術をさまざまな測定によって検証しています。以下にそのデータの一部を紹介します。
パッシブ換気住宅の実測による各種のデータ
測定協力:道総研・北方建築総合研究所・北海道大学・道立衛生研究所・青山プリザーブ・その他
各種の測定によりこのシステムの安全性が確認されています。
気密測定・ガスクロ測定
道立衛生研究所による測定結果
北大工学研究科による床下ラドンガス測定
土間コンクリートによるラドンガスの発生はパッシブ換気に全く影響のないことが北大工学研究科の測定によって確認されています。
北見工業大学による、屋根排気部分での風による換気量の風洞実験
この実験で風速3~4m/secで最大160~220立方メートル/時 程度の換気量があることが測定できた。
揮発性有機化合物(有害化学物質)
このVOC測定ではそれぞれの数値が国の指針値を下回っていることが確認できます。
カビの測定結果
測定:青山プリザーブ
下図はカビ、ダニの測定結果。
結果からは数値的に良好であることと、室内側のカビ数は良好、風量:良好であることを示している。
高気密住宅における2階から1階への透過音測定
この測定でわかることは、人の話し声を含む高音域では2階ドアのアンダーカット部と階段を通して1階へ伝わり、歩く音などの重音域では床の骨組みと1階天井下地を伝わり、聞こえることが実測できたので、防音性能は通常の高気密住宅と変わらないことがわかった。