福島理事長コラム

熱交換換気をしている人たちに

パッシブ換気を知っていただく前に機械換気のことを知ってほしいと思います。
熱交換換気システムがどれほど信頼のおけないものか、まず自覚することが必要です。
スウェーデンの啓もう書から、まずその背景を考えてみましょう。

1.機械換気をめぐる超えられない課題

スウェーデンは、言わずと知れた住宅の熱交換換気大国です。2010年頃、専門家が集まって啓もう書を作りました。

そこに最初に、次のように書かれています。

•空気質の重要性が認識されない
⇒居住者には換気不良を認識できない

•ほとんどの住宅は換気不良である
⇒換気は少ないほうが快適である

•換気システムへの関心は、コストと施工性である
⇒小径フレキシブルダクトがほとんどである

•換気のデザインは設計者や工務店である
⇒ほとんどの換気装置は天井裏にある

•換気不良はクレームリスクが少ない_とにかく息はできる
⇒換気不良のクレームはほとんどない

日本の実情に比べれば、はるかに進んだ熱交換換気システムを作り上げているスウェーデンで、専門家からはこれほどの課題が投げ掛けられているのです。まず、自分たちがそこに答えているかどうか、自問することから始めましょう。